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嫉妬深い彼女に別れ話を持ちかけた

919 :本当にあった怖い名無し:2005/11/15(火) 22:29:32 ID:dIaNEQr40
異常に嫉妬深い彼女に別れ話を持ちかけた。
やさしい人だったが、妙にネガティブでさびしがり屋だった。
本格的に付き合いだして、はじめて彼女の異常さに気付いた。
俺の携帯がなるたびに、誰からなのか何の話だったか、執拗に問い詰める。
休日には、必ず自分と一緒にいるように強制。
やむをえない仕事などの理由で一緒にいられない時は、それこそ十分おきに連絡が来る。
とにかく俺の行動のすべてを管理したがった。

また、自分以外の女性と俺が会話するのを一切認めない。近所の人に挨拶もさせない。
レストランとかでも、店員が女性のときは必ず彼女が注文をとった。
仲のよかった姉が急に連絡してこなくなったのも、彼女がさまざまな嫌がらせをしていたからだと知った。

さすがにやばいと思って、彼女の実家に相談してみたが、
「うちの子は、前の男にふられてからだんだんおかしくなった。
 あなたと付き合うようになって(あれでも)だいぶ落ち着いた。
 少々変なところもあるが、かわいそうだから見逃してほしい」
言外に、これ以上娘がおかしくなるようなことをするな(分かれるな)といってきた。
警察にいる友人にも相談してみたが、警察は色恋沙汰には、死人でも出ない限り関わろうとしないらしい。


920 :本当にあった怖い名無し:2005/11/15(火) 22:31:07 ID:dIaNEQr40
しかし、さすがにこれ以上面倒も見切れない。話し合うにも言葉が尽きた。
これ以上一緒にいると俺が狂う。
彼女のマンションに行き、できる限り穏やかに遠回りに別れ話を持ち出してみた。
とたんに人とは思えぬ形相で、めちゃくちゃに俺につかみかかる彼女。
必死で抑えつつ説得を試みるも、執拗に俺の眼球を引っかこうとするさまに恐怖をおぼえ突き飛ばす。
思いっきり転んだ彼女は、飛び起きながら台所に走りこむ。
今までに感じたこともない悪寒を覚え、彼女が台所にいるうちに、靴を残して彼女の部屋を飛び出した。

エレベーターをそわそわしながら待ってると、彼女がドアをぶち破るように部屋から出てきた。
裸足で、手には包丁を持っている。それだけ確認して、来ないエレベーターを見限り階段に走る。
マンションの階段を転がり落ちるようなスピードで駆け下りるが、追いすがる彼女の声を引き離せない。
一階正面ゲートから駐車場に着くより早く彼女が追いついてくる。
必死で走っている耳に彼女の荒い息が聞こえてくる。
逃げ切れないと判断して、ぎりぎりまで彼女が追いすがってきたところで、急にしゃがみこんで足を払った。
彼女は俺につまづく形で、勢いよく顔面からアスファルトに突っ込む。
包丁を落としたので、柄を蹴って遠くに飛ばした。
彼女が起き上がるより早く自分の車に駆け寄りながら、ポケットを探りカギを取り出す。
カギを開けてドアを開け中に滑り込むのをほとんど同時にやってのけ、エンジンをかける。
バックして方向転換。駐車場の外に向かってアクセルを踏もうとしたとき、運転席ががばっと開いた。


921 :本当にあった怖い名無し:2005/11/15(火) 22:33:04 ID:dIaNEQr40
息を吸った弾みに、「ひいっ」とかぼそい情けない悲鳴がこぼれる。彼女を正視できない。
ゴミ処理用の焼却炉を稼動中にのぞいて、猛烈な熱気に顔を背けたことがあるが、今の彼女はあれに似ている。
ほとんど反射的にアクセルを踏み込んで車を走らせた。
彼女はドアにつかまって併走しながら俺の名前を絶叫していたが、スピードが上がってついに手を離した。
爪がはがれたようで、運転席側のドアの内には血の線が残った。
夜の街を制限無視で走りながら、俺は泣きじゃくっていた。

その日のうちに荷物をまとめて実家に逃げ込んだが、その日から二度と彼女を見ることはなかった。
彼女からも彼女の実家からもまったく音沙汰がないので、自殺でもしたのかとおびえていたが、
件の友人がさりげなく見てきたところ、何事もなく普通に暮らしていたという。

時間がたって楽観的になった俺は、また自分のアパートに帰った。
夕食でも作ろうと冷蔵庫を開けると、小包が出てきた。
いやな予感がしたが開けてみると、中からは手紙らしい封筒と、
あの日マンションにおいてきた靴が、短冊状にずたずたにされた物がでてきた。
それを見たとたん、あの日の恐怖がよみがえった。
心臓が急に暴れだし、口の中がが干上っていやな味がしてきた。
ひゅーひゅーと荒い呼吸をなだめながら、恐る恐る同封されていた封筒を開けてみる。
予想した手紙ではなく、硬い花びらのようなものが手のひらに散らばった。
それが根元からはがれた十枚の爪だとわかったとたんに、声を上げて手の平から払い落とす。
慌てて友人に連絡を取ろうとするが、家の電話機が動かない。よく見ると電話線がちぎられていた。
喉から変なうめき声をもらしながら、充電中の携帯を手にとるのと同時に着信。彼女から。
さっきの爪の時のように、携帯を放り出してへたり込んだ。
腰が抜けて座り込んでいる俺の後ろから、玄関の鍵を開けてドアを開く音がした。
    「早くでてよ」

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